石田勝也税理士事務所

要注意! 現場監督が抱えるストレスとメンタルのリスク

21.04.06
業種別【建設業】
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建設現場で、工程管理や安全管理、事務作業といった多様な業務を一手に引き受けている現場監督。
施工管理業務には、自分の知識と経験を活かし、先頭に立って現場を動かしていくというやりがいがある反面、責任が重く、労働時間が長くなりがちな傾向があるため、体調やメンタル面に問題を抱えてしまう人もいます。
今回は、そんな現場監督に気持ちよく働き続けてもらうために、現場監督が抱えるストレスと、メンタルヘルス対策について解説します。
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責任の重い人ほどリスクの高い『うつ病』

現場監督がかかりやすい精神疾患の代表的なものが、うつ病です。
うつ病になる原因はさまざまですが、精神的・肉体的に重い負荷がかかることが原因とされています。

●仕事量が多くプライベートが確保しにくい
要因の一つが、仕事量です。
最近では担い手不足により、スタッフが長時間労働をせざるをえない現場もあります。
職業の性質上、なかなかプライベートな時間を確保しにくいこともあり、気が付いたら多大なストレスがたまっていたというケースもあります。

●人間関係でプレッシャーを受けやすい
現場には、施主やゼネコン、設計、下請けなど、多くの人が関わっています。
管理者として責任を負う部分も多いため、取引先や施主からの要求・クレームを受けるのも監督です。
こうしたプレッシャーもあり、監督は対人ストレスを受けやすい職業だといえます。

●環境が変わりやすく、毎回適応しなければならない
工事中には、次々とスケジュールの変更が起こります。
さらに、その工事が終わったらまた次の現場に移るというように、監督自身が関わるプロジェクトもどんどん変わるため、そうした変化がストレスになることがあります。
また、初めて現場に入った若手監督が、職人に怒られてうつ病になってしまうこともあるなど、監督はさまざまな環境適応のストレスがかかるのです。


初期段階のうつ病に見られる症状とは

うつ病の初期の段階では、多くの人は、「だるいな」、「疲れやすくなったな」と感じたりします。
この時、真面目な人であればあるほど「もっと頑張ろう」と無理をして、症状を悪化させてしまいがちです。
同じ職場で働いている人に次のような症状が見られたときには、注意して経過を観察し、必要に応じて医療機関を紹介する、カウンセリングを受けるように勧めるなどの対策が必要です。

●眠れない、もしくは過眠である
●体が重く、だるい
●最近疲れやすくなったと感じている
●以前は集中できていたことが、今は集中できない
●食欲がない、もしくは過度に食欲がある
●楽しい、嬉しいという感情がなくなった
●趣味や好きなことへの関心が薄れている、無関心になった
●死にたいと考えるときがある

一つでも当てはまればすぐにうつ病というわけではありませんが、これらの症状が複合して現れて、長期的に続くようであれば要注意です。


現場監督のメンタルケアのヒント

よく言われていることですが、「こんなことではだめだ」「もっと頑張ろう」と自分を責めながら頑張っていると、無理がたたって、どこかにしわ寄せがきます。
メンタルヘルスの不調を招かないためにも、以下のようにストレスを軽減するように動いてもらうことが大切です。

●管理の失敗を自分のせいにしすぎない
現場で事故が起きて職人がケガをしたり、工期が延伸して施主からクレームが入ることもあります。
これらを毎回、自分の管理不足のせいだと思っていると、毎日の仕事にプレッシャーを感じてしまいます。
もし何かが起きたとしても、「不安全行動を撲滅しよう」「初めから適正な工期を設定することが大切だ」といった、解決に向けた思考に切り替えるようにしましょう。
起きてしまったことで自分を責めても、生産性が上がるわけではありません。

●息抜きは仕事のうちだと考える
現場監督のような責任の重い職業においては、「息抜きをすることも仕事のうち」、くらいの気構えが大切です。

●仕事とプライベートのメリハリをつける
工事現場では、工事の進捗によって予定が急に変わることもあるため、休みの日も気が休まらない人が多いものです。
しかし、休みの日もずっと仕事に追われている感覚で過ごしていると、リラックスすることができません。
監督の仕事から一旦離れたら、リセットすることを意識して、最初のうちは無理やりでも仕事とプライベートのメリハリをつけるようにしましょう。

現場監督は膨大な業務を抱えがちで、責任も重い仕事です。
過度なストレスがかかりつづけると、メンタルヘルスにも問題が起こりがちですし、労災事故や離職の引き金にもなります。
なるべくストレスを取り除き、業務を分担してもらうなど、会社全体で監督のストレスを軽減する必要があります。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。