石田勝也税理士事務所

今の就業規則で大丈夫? 安心感を生み出す就業規則のつくり方

19.02.26
ビジネス【労働法】
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2019年4月に働き方改革に関する法が施行される影響で、それに対応するために就業規則の改定が必要な会社が増えています。
就業規則を整備することは、労務トラブルの防止だけでなく、社内秩序の維持のためにも欠かせないことです。 
今回は、職場に安心感を生み出す就業規則のつくり方についてご紹介します。
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雛形を使うとトラブルに対応できない場合も

就業規則の見直しのきっかけは、
・法改正に対応するため
・従業員から「就業規則はないのですか?」と尋ねられた
・労働基準監督官から、就業規則の内容に関して是正勧告を受けた
・会社設立時に就業規則を作成してそれっきりなので、そろそろ見直しが必要になった
など、さまざまでしょう。

就業規則は「あればいい」というものではありません。
雇用契約の内容や業務内容に始まり、労働時間・賃金・休日から休職や退職にいたるまで、会社ごとの実情を反映し、事業主の考えに沿ったものである必要があります。
作成のポイントとなるのが、『法的な合理性があること』『会社の実情を反映していること』です。

就業規則の雛形は労働基準監督署やインターネットからのダウンロードで容易に入手できます。
しかし、これはあくまで一般的な就業規則の規定例であるため、条文と会社の現状とが合っていないことも多く、そのまま使用すると思わぬトラブルが起こる場合もあります。
また、法律の規制を上回る条件が記載されている雛形もありますので、規模が小さい会社や創業間もない会社にとっては自ら高いハードルを課してしまうことにもなりかねません。
会社の規模や業種によって記載するべき内容は異なるため、自社に最適なものにつくり変えるのは簡単ではありません。
安易に作成すると、内容に不備があったり、法律に沿っていなかったりして、トラブル予防などに効果を発揮しないケースがあります。


時代の変化に応じて内容の更新を

就業規則は、いったん作成すればそれで完了というものでもありません。
会社内で労働時間や賃金制度などの見直しを行った際に、就業規則にも改定を加えなくてはならない場合があります。
また、労働関係の法律は大枠では改正されなくても、関係する法令は頻繁に改正されたり、追加されたりします。
昔つくった就業規則が、会社の現状や現行法に合致しているとは限りません。
時代の変化に即した内容に随時更新していかないと、予期せぬトラブルが起きたときに対応できない場合があります。
トラブルは起きていないので、見直す必要はないというような考えは危険です。


経営者や幹部の方が思っている以上に、会社や業務に対する従業員の意識は変化しています。
昔通じていた労務管理の手法が、今でも通じるということはありません。
経営と同じく、労務管理も時代の流れに則した対応は必須事項です。


※本記事の記載内容は、2019年2月現在の法令・情報等に基づいています。