石田勝也税理士事務所

社員研修の場で広まる、アンガーマネジメント講習とは

19.01.29
ビジネス【人的資源】
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怒りを予防してコントロールする心理療法プログラム『アンガーマネジメント』。
最近、社員研修にアンガーマネジメント講習を取り入れる企業が増えてきています。
ここでは、アンガーマネジメントの基本から、それによってもたらされる生産性の向上、離職率の低下、従業員のストレスの低減といった効果などを解説します。
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社内問題を解決に導く、怒りをコントロールするトレーニング

アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングのことです。
フロリダ州立大学の調査では、威圧的な上司のもとで働く部下は、そうでない上司のもとで働く部下よりも、業務に全力を出さない割合が24%も高いという研究結果が出ています。
そのため、日常生活や職場でのイライラや怒りを分散させるだけでなく、自分の感情に対する理解と対処を学ぶ手法として、アメリカで広まりました。
日本でも職場のパワーハラスメント防止対策として導入する企業が増加しました。
また、アンガーマネジメントを行うことで、個々のコミュニケーション能力が向上するともいわれており、企業においては、よりスムーズな組織運営が可能になるとの期待を集めています。


怒りをあらわす前に冷静になることで、不必要な怒りを減らす

現在、さまざまな団体が企業向けのアンガーマネジメント研修を行っています。
あるアンガーマネジメント研修では、怒りの根本に隠されているさまざまな感情が何なのか、それがどこから生まれたものなのかを知るところから始まるそうです。
研修のなかでその感情と上手に付き合うヒントを見つけ、自分自身で怒りの感情を理解。
最終的にはチームメンバーとの相互理解につなげ、受講後は以下の状態を目指します。

・自身の怒りの感情や原因を理解できるようになる
・反射的に怒りを相手にぶつけないようになる
・相手の感情を理解しようとする意識が芽生える
・不必要な怒りを減らし、感情を上手に表現できるようになる

このように自分の怒りを分析できるようになると、不必要な発言をしてしまう前に、ひと呼吸、冷静に考える時間がとれるようになります。
そこから言葉を選んで発することができるので、人への接し方が自然と変わってきます。
気づかないうちに、自分に対する人からの評価も変化しているでしょう。


自分自身で怒りの感情を理解し、表現上手なビジネスマンに

アンガーマネジメント研修を取り入れる企業が増えた理由の一つに、2015年12月から50人以上の労働者がいる会社で実施が義務化された『ストレスチェック制度』があるといわれています。
最近は、管理職に対して「多様な価値観を持った部下のマネジメント」「パワハラ問題への対応」「働き方改革と生産性向上が求められる中での部下育成」など、さまざまな場面で感情をコントロールして適切な判断を行うことが求められ、アンガーマネジメントの必要性が高まっているようです。


ビジネスでは、感情に支配されない冷静な判断が求められます。
怒りの対処法は、同僚や上司、取引先など、周囲の人たちに対する理解や、組織内での人間関係づくりに大いに役立つのではないでしょうか。