石田勝也税理士事務所

「論理的思考」は得意ですか? 苦手な方にもわかりやすく、そのコツをお話します。その1。

17.06.16
ビジネス【マーケティング】
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ロジカル・シンキングとも呼ばれる「論理的思考」は、ビジネスに欠かせないもの。

なにやら難しいものとして解説本なども執筆されていますが、ことさら難しく考える必要は、まったくありません。

「論理的」って、実は簡単なんです。

「必ず理由とセットで考える」「いくつかに分ける」「話の順番にこだわる」など、少しのコツを意識すれば、さして難しいと感じずに「論理的」になれるでしょう。
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そもそもなぜ「論理的思考」が必要なのでしょうか? その理由は、2つあります。

1つは、“共有ツール”としての機能です。

例えばあなたが飲食店を経営していて、経営者の勘とか長年の経験から、店内の全面改装が必要だと感じたとしましょう。そして、この時点での全面改装が正しいと仮定します。

しかし、それは、あなた個人の“勘”であったり“経験に基づく直感”だったりします。

一緒に働く従業員の中には、反対の感覚を持つ人もいるでしょう。

取引先として重要な金融機関の人も、“それはイイ”とすぐに賛成してくれるとは限らず全面改装の費用が工面できないかもしれません。

そんなときに「論理的思考」が威力を発揮します。

汚れや劣化が様々なところに目立つことや、常連さんの中からマンネリ感を感じさせる言動があったことなど、全面改装によるメリットとデメリットを検討したうえで全面改装が有利であると「論理的に」語ることで、多くの人があなたの直感の正しさを「共有」することが可能になり、あなたが仕事をしやすくなります。

もう1つは、“点検ツール”としての機能です。

あなたが何らかのお店を経営していて、そろそろ2店目を出店したいと感じたとしましょう。

そのとき、今この時期に2店目を出店すべきなのか、同じ店名や内容の店にすべきなのか、どこに出店すべきなのかなど、検討ポイントは数多く存在します。

それらの検討ポイントに対して、自分の気持ちや経営者の勘を使うことは大事です、“点検ツール”として「論理的に正解か?」を考えてみることに意味があります。

あなたの勘を侮るつもりはありませんが、「ただの思い込み」の可能性も否定できません。「こういう論理で、これは行ける!」と結論づけられないと、自信を持って出店を推し進められません。

さて、「論理的思考のためのやさしいコツ」について触れていきますが、まず気に留めたいのは「必ず理由とセットで考える」です。

あらゆる行動や考えには、理由が存在します。いや、存在すると考えることが必要なのです。

「全面改装しようと思うんですよ」と発言したら、“なんとなく”とか“直感で”とか“経験的に言って”ではなく、「なぜかと言うとですね」と言う癖をつけましょう。

「従業員を1人増やそうと思うんですよ」の後だと、「なぜかと言うとですね。少し値上げを考えていましてね」といったようにです。

「論理的思考」は、まず理由を話すクセづけから始まります。

次回も引き続き、「論理的思考」について考えて行きたいと思います。


佐藤達郎の今すぐ使える!マーケティング手法 


●プロフィール● 
佐藤達郎(さとう・たつろう) 
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論)、コミュニケーション・ラボ代表。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校、一橋大学、アサツーDK、(青学MBA)、博報堂DYを経て、2011年4月より現職。著書に、『NOをYESにする力!』『アイデアの選び方』『自分を広告する技術』『教えて!カンヌ国際広告祭』がある。