高木淳公認会計士事務所 / SAO税理士法人 蒲田オフィス

相続登記はいつまでにしなければならないのか?

15.05.10
業種別【不動産業(登記)】
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不動産会社の方からよく受ける質問のひとつです。

「登記の期限は決まっているのでしょうか?」

相続登記は、相続税の申告などと異なり、法律上の期限は決められていません。
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そもそも相続登記とは何でしょうか?

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記簿上の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義の変更を行うことをいいます。すなわち、被相続人から相続人に名義変更する手続きです。先ほど記載した通り、相続登記には期限がありません。放置していてもなんの罰もないのです。

ただし、問題は別のところにあります。例えば、相続が発生したけれども相続登記をせずに放置していた場合、本来の相続人が亡くなって、さらに相続が発生したとします。その場合の遺産分割協議は、本来の相続人に加えて、新たな相続における法定相続人が登場することになります。
遺産分割協議は全員でしなければならないため、全員分の印鑑証明書及び実印が必要です。このように、相続登記が進まなくなる危険性が潜んでいるのです!

相続が発生して不動産を取得した場合は、その権利を登記しておかなければ、将来的に相続人同士で紛争が起きる可能性があります。そうした事態を回避するためにも、不動産の相続登記を行うのです。

通常の法定相続分とは異なる相続分を相続したときは、相続登記をしていなければ第三者に「この不動産は私のものです」と主張することができません。よって遺産分割協議により不動産を相続する場合には、相続登記を行う必要があります。

もし、相続で取得した財産で不動産の売却を考える場合は、相続人の関係がとても複雑になります。相続人が多く登場することで、相続人同士の紛争により遺産分割協議の話し合いはまったく進まず、不動産を売却するには相当な時間と手間がかかることになります。

相続した不動産を売却したい場合はもちろんですが、相続した不動産を担保に銀行から融資を受ける場合も、必ず相続登記を済ませておかないと、銀行の手続きが進みません。だからこそ、相続登記は早めに行いましょう。

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