高木淳公認会計士事務所 / SAO税理士法人 蒲田オフィス

解雇を余儀なくされた労働者を雇用した事業主を助成!

20.11.10
ビジネス【助成金】
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新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、企業にとっては厳しい状況です。
経営を維持するために、事業の縮小や従業員の解雇といった、最終手段をとらざるを得ない企業もあるでしょう。
多くの人が、賃金によって生活費をまかない、家族を養っているような状況において、解雇は一大事です。
こうした労働者の受け入れ先を少しでも広げるため、厚生労働省は、早期の再就職を後押しする『労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)』を用意しています。
今回は、このコースについて詳しく紹介します。
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『労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)』

【コースの概要】
離職を余儀なくされた労働者の早期再就職や定着を支援することを目的とし、こうした方を雇い入れる事業主に対して支給される助成金です。
『早期雇入れ支援』と『人材育成支援』(追加助成)の2つの区分があり、ここでは『早期雇入れ支援』について解説していきます。

【主な受給条件】
以下のすべての要件に該当している必要があります。
(1)支給対象者(次項参照)を離職日の翌日から3カ月以内に、期間の定めのない労働者として雇い入れること
(2)支給対象者を、一般被保険者または高年齢被保険者かつ正規の労働者として雇い入れること
(3)(2)の支給基準日経過後、支給決定日までに支給対象者を事業主都合で解雇等(退職勧奨を含む)していないこと

【支給対象者】
以下のすべてに該当する労働者が対象です。
(1)申請事業主に雇い入れられる直前の離職の際に、『再就職援助計画』または『求職活動支援書』の対象者であったこと
(2)雇用されていた事業主の事業所へ復帰の見込みがないこと
※再就職援助計画:企業の経済的事情により、1カ月以内に30人以上の労働者が離職を余儀なくされる場合に、企業がハローワークに提出するもの。
※求職活動支援書:45歳以上65歳未満の労働者が、事業主都合の解雇等に遭ったときや、社内の高齢者継続雇用制度の基準に満たなかったために離職せざるを得なくなった場合に、職務履歴や職業能力などを記載して作成するもの。

【支給額】
支給対象者1人につき、以下の額が支給されます。
ただし、2021年1月1日以降に雇い入れられた支給対象者については、( )内の額となります。
なお、この助成金には『通常助成』のほか、一定の要件を満たす事業所等から離職した人を雇い入れた場合に支給される『優遇助成』、さらに雇入れ時の賃金より2%以上上昇させた場合に支給される『優遇助成(賃金上昇区分)』の3つの区分があります。
優遇助成の2区分では、『雇入れ日から6カ月後』と『さらに6カ月後』の2回分支給基準日が設けられており、それぞれ申請を行います。
以下が一覧となります。

●第1回申請分
(1)通常助成……30万円(30万円)
(2)優遇助成……40万円(40万円)
(3)優遇助成(賃金上昇区分)……40万円(40万円)
●第2回申請分
(1)通常助成……なし(なし)
(2)優遇助成……40万円(なし)
(3)優遇助成(賃金上昇区分)……60万円(20万円)

いずれの区分も、1年度1事業所あたり500人分が上限となります。
大量採用にも対応しているため、人手不足に悩む企業は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

なお、本助成金にはこれ以外にも細かい支給要件がございますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。

出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805.html


※本記事の記載内容は、2020年11月現在の法令・情報等に基づいています。